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医療法人 山下病院

病院紹介

医療法人 山下病院

山下病院は1901年に尾張地方唯一の病院として設立され、現在は消化器専門病院として一宮市における消化器疾病の検査、治療の中核的存在となっている。日本医療機能評価機構の病院認定を連続して受けるなど、安定した評価を受ける一方、カプセル内視鏡を日本で最も早い時期に導入するなど、最新の医療技術を積極的に取り入れる病院としても定評がある。特に同院で4年ほど前から行われている、CT大腸検査(以下CTC)では年間1500~1600件という圧倒的な検査数を誇り、CTCの最先端を知る病院として現在注目を集めている。

注腸画像より優れた画像に出会い、CTC導入を決意

先取精神旺盛な山下病院がCTCを導入した時期は、まだほとんど前例がなかった4年前。CTC導入のきっかけを片山信病院長は次のように語る。

「当山下病院では昔から患者さんのために良い、と思われるものは貪欲に採り入れてきた。CTCも例外ではなかった。 5年前、消化器学会などで話題となっていたCTCを紹介され、実際に見てみたところ、安全で、注腸検査よりも画像が遥かに美しく、様々な画像表示を用いることで読影しやすいことが分かった。信頼している教授に相談したところ、やはり教授もその画像の美しさを前に『これさえあれば注腸はなくなるのではないか?』と一言。その時、CTCの有用性、将来性を確信し、導入を決めた。」実際その言葉通り、CTC導入前に年間700件近くあった注腸検査数が、導入後は年間250件にまで減少し、「注腸検査による大腸スクリーニング検査はCTCに完全に替わった。」
片山信病院長(消化器外科)
「優れた最新技術を積極的に取り入れ、患者さんにとって最善の検査を常に追求しています。」

片山信病院長(消化器外科)

CTC導入により安全で、診断能力が高く、効率的な大腸スクリーニング検査が実現

山下病院では、1日約20件の大腸検査を行っており、その約1/3がCTCで行われる。

「CTCをスクリーニング検査で実施するメリットは、安全性と時間的処理能力にある。CTCにより多くの患者さんから病変を発見することで、生検や治療可能な内視鏡検査を効果的に生かすことができるし、撮影が比較的簡単なので時間も短縮される。患者さんにとっても検査を行う側にとってもCTCは非常に有効である。」

と片山病院長は言う。

また、注腸検査とは異なり、CTCで何か異常が見つかった場合は、内視鏡検査を引続き行える。さらに山下病院では、大腸内視鏡検査室とCT室が同じフロアにあるため、内視鏡挿入困難等の場合は、その場でCTCに移行ができ、効率的な検査が実現している。

効率的な検査を実現した検査センター
効率的な検査を実現した検査センター
地域でいち早く導入した16列CT
地域でいち早く導入した16列CT

内科医としてCTCと内視鏡の関係について、小田雄一消化器内科医長は次のように語る。

「CTCの特長はまず、内視鏡と比較して、安全であるということ。次にCTCは腫瘍とその周囲の組織との位置関係が分かりやすく、粘膜下の腫瘍の性状が分かりやすいこと。そして内視鏡が入らない狭窄部位よりも奥の情報が得られることなどが挙げられる。CTCには内視鏡では実現できない、様々な利点を感じている。しかし、診断率に優れている内視鏡なしでは診断を下すことはできない。また、組織をその場で取ったり色素散布して精査するなど内視鏡にしかできないこともある。内視鏡の欠点をCTCが補うことで、検査の質が向上すると考えている。」
小田雄一消化器内科医長

大腸内視鏡もCTCもどちらも万能ではない。それぞれのメリットを生かし、デメリットを補いながら共存させることで、山下病院のような患者さんにとって負担が少なく、安全で効率的な検査が実現する。

「内視鏡とCTCが補い合うことで検査の質が向上しました。」

小田雄一消化器内科医長

CTC検査後はザイオソフト社製ワークステーションで画像解析

山下病院では、CTCで撮影した画像はザイオソフト社製ワークステーションで解析を行っている。ザイオステーション「大腸解析ソフト」は読み込んだ画像から腸管を自動で抽出後、独自開発の360度展開画像の VGP画像が表示される。VGP画像は大腸を開いた標本似の画像で、腸管内を一気に観察することができる。また、仮想内視鏡で内視鏡に似た画像での解析や、VE(仮想内視鏡)+MPR表示で腫瘍の性状の解析も可能だ。

VGP画像
VGP画像
VE画像
VE画像
VE+MPR画像
VE+MPR画像
「多くの大腸検査依頼の中には紹介医師より『仮想内視鏡画像でお願いします。』と指定されることが少なくない。」

と小田内科医長。

仮想内視鏡画像は読影のしやすさと、患者説明のしやすさから地域ドクターの間で高い支持を得ている。また、同医長は、学会などでもその分かりやすさから仮想内視鏡と、腸管全体が一気に確認できる3D画像を活用しているという。

「VGP画像は他社と比べてひずみが少なく、現実的。VE(仮想内視鏡)+MPR表示は粘膜下の腫瘍の性状が分かりやすく、これは本物の内視鏡にはない機能。今後もこういった臨床に役立つ画像の開発に期待している。」
「大腸解析ソフト」と山﨑技師長

「大腸解析ソフト」と山﨑技師長

山﨑技師長はCTCタスクフォース※の一員として講演や執筆活動など、CTC研究の第一線で活躍している。

CTCタスクフォース
国立がんセンターを中心に医師、放射線技師で構成された、CTC普及を目指すグループ

同院の山﨑通尋診療放射線技師長は、野々垣診療放射線技師らとともにザイオソフト社製ワークステーションでドクターから依頼された画像を作成している。ザイオステーション「大腸解析ソフト」の有用性について山﨑技師長はこう語る。

「従来と比較して短時間で解析用の画像が簡単に作成できる。特にザイオソフトの大腸解析ソフトのVGP画像は、他社と比較してゆがみが少なく、腸内部を一度に見られるので、スクリーニング検査には欠かせない画像である。VGP画像とVE+MPR画像を併用して観察すれば、さらに精度が上がると思う。」
山﨑通尋診療放射線技師長
「ザイオソフトの大腸解析ソフトなら、ゆがみの少ないVGP画像で腸内部を一度に観察できます。」

山﨑通尋診療放射線技師長

CTCの今後の展望と課題

山﨑技師長はCTCをこれまで7000例以上経験しており、CTCそして「大腸解析ソフト」を最も熟知した同院の大黒柱として大腸検査を支えている。その視点から山﨑技師長はCTCの利点をこう語る。

「注腸の場合、腸管の走行や術者の技量によって画像が左右されることが多いが、CTCなら誰が撮影しても比較的同じ画像が作りやすい。また、CTCは注腸と比較して無理な体位変換がなく、検査時間もおよそ10分と短いので、患者さんにとっても、検査する側にとってもメリットがある。術者技量に左右されず、短時間での検査が実現するという意味では、スクリーニング検査に向いていると思う。」

今後のCTCの課題については、実際にCTCを行う立場から次のように語る。

「前処置を緩和して、さらに患者さんにとって楽な検査を目指したい。患者さんにとって1番辛いのが前処置なので、この問題が解決することで検査を受ける方はさらに多くなる。検査件数が増え、病変の早期発見を実現することが患者さんにとって1番のメリットだと思うので、今後は前処置をいかに楽にし、検査を受けやすくするかがポイント。」

また、解析ソフトにも精通した山﨑技師長は、「CAD(コンピュータ支援診断)※とエレクトロニッククレンジング※の実用化を願っている。CADが実現すれば、ドクターの読影時間の短縮と診断精度の改善が期待できる。また、エレクトロニッククレンジングの技術があれば前処置がうまくいっていない場合でも診断がしやすくなるので、これらが実現されればさらに診断能力が上がると信じている。」と目を輝かせる。

大腸解析CAD
コンピュータが形状の特徴を元にポリープ様のものを判別し、マーキングすることで読影をサポートする。
エレクトロニックレンジング
診断の障害となる腸管内の残渣をソフトウェアで処理する技術。残渣処理がソフトウェア上で実現すれば、前処置の簡便化が期待できる。
瀧智行副院長(消化器内科)
「これからも地域の皆さんの健康を高いレベルで支えていきます。」

瀧智行副院長(消化器内科)

瀧智行副院長は、ザイオソフト社の「大腸解析ソフト」で作成した仮想内視鏡画像を初めて見たとき、その画像の美しさに「度肝を抜かれた」という。CTC導入後の感想と今後の課題については、次のように語る。

「実際にCTCを導入してみると、画像の美しさのみならず、検査時間が注腸検査と比較しても短縮されたことにも驚いた。検査時間の短縮により、CTCだけでなく、消化器検査全体の件数の底上げにつながった。また、CTCを紹介されて市外からわざわざ受診にいらっしゃる方もいるし、検査数は増加の一途を辿っている状態。CTCを導入して、当院ではそのメリットを充分感じているが、まだ導入できないでいる医療施設がほとんど。原因はCTCとその画像処理を行う人材が不足している点にある。ワークステーションを触ったことがないというドクターもたくさんいる。全国的な勉強会や講習会を開催したり、あるいは院内でもCTCの有用性や画像の見方、作り方、そのほか必要な情報を広める等していかなければならないと感じている。」

今後の画像処理技術については次のように期待を寄せる。

「さらに分かりやすくて正確な画像が提供されればと思う。それには、医療従事者側とソフト開発側の対話が必須。お互いに何が必要で、何ができるのか、すりあわせをしながら画像処理技術の質を高めていくことが非常に重要である。」

CTC導入により、1検査あたりにかかる時間が短縮され、全体の検査数が増加した山下病院。

「これからも最新の技術を積極的に取り入れ、地域の住民の健康を高いレベルで支えていきたい。」

と瀧副院長は意欲を燃やす。

日本での大腸がんの罹患数は近年急激に増加しており、女性では、がんの罹患率で1位、男性では2位となっている。大腸スクリーニング検査の重要性が叫ばれる中、CTCはその安全性と優れた画像、そして簡便さで、近い将来欠かせない検査の1つとなるだろう。 ザイオソフトは今後も最新技術の研究を重ね、医療現場で威力を発揮するソフトウェアを提供していく。

取材日:2007年12月6日

医療法人 山下病院

〒491-8531
愛知県一宮市中町1-3-5

病院長
片山 信
診療科
消化器科
病床数
128床
URL
http://www.yamashita-hp.jp/
医療法人 山下病院

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