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聖マリアンナ医科大学病院

病院紹介

聖マリアンナ医科大学病院

病床数1200床を超える聖マリアンナ医科大学病院は、医療ネットワークの中核となる特定機能病院として高度先進医療の推進と病診連携を進めている。 同院の放射線科は国内有数の規模を誇り、CT5台/MRI4台/血管造影装置4台/X線透視撮影装置4台/単純X線撮影装置10台/マンモグラフィー2台のモダリティを擁している。スタッフ数は医師・技師・看護師等合わせて100名を超え、1日の検査数は700件以上に上る。そのうち、CTやMRI、アンギオグラフィーなどの特殊撮影は全て、単純撮影は半数近くを放射線科医が読影している。

ボリュームデータを活かすことの重要性

同院では現在5台あるCTのうち16列と64列のマルチスライスCTで、すべての患者のボリュームデータを臨床応用している。ボリュームデータが収集された検査では、横断像だけでなくMPRやVRなどで3次元的にボリューム診断をしている。

放射線科 小林泰之 医師
放射線科 小林泰之 医師

同院放射線科小林泰之医師は、次のように語る。

「マルチスライスCTを使用する上で、ボリュームデータによる読影は必要不可欠。ボリュームデータによる読影がなければ、マルチスライスCTの能力を最大限に生かすことができない。例えば従来の10mm厚のデータで読影する場合、放射線科医は、頭の中で解剖の情報と合わせて病変について想像を働かせる必要がある。しかし、Thinスライスの等方性ボリュームデータは病変の位置や大きさについて正確な三次元情報を保持している。そのため横断像だけでなく任意の方向からのMPRでリアルタイムに観察することにより、小さな病変の検出能の向上だけでなく、腫瘍や瘤の形態・範囲の正確な診断が可能となる。」
「マルチスライスCTを使用する上で、ボリュームデータによる読影は必要不可欠です。ボリュームデータを必要とする全ての科で使用できるのが望ましいですね。」
放射線科 森本毅 医師
放射線科 森本毅 医師

また、同放射線科の森本毅医師は、

「どの血管に腫瘍が出来ているかなどというような情報が手術の前に画像で分かるので、MDCTを使用したボリュームデータは術前シミュレーションに非常に有効。また、リンパ節など細かい部分が評価しやすくなり、正確な診断ができるようになりました。」

とその有用性を強調する。

「ボリュームデータ診断は全方向からの観察も可能で、術前シミュレーションにも活用でき、大変有用です。マルチスライスCT検査は低侵襲なので、体への負担も少なく患者さんにとってもメリットがあります。」

また、同放射線科栗原泰之医師や松岡伸医師も

「ボリューム診断により、従来は部分的な評価だけだったのが、全体を評価できるようになり、より高度な診断や研究が可能になった。」
「マルチスライスCTを使用する上で、ボリュームデータによる読影は必要不可欠です。ボリュームデータを必要とする全ての科で使用できるのが望ましいですね。」

旧ネットワークシステムの問題点

聖マリアンナ医科大学病院では以前、他社製のPACSを使用して画像ネットワークシステムを構築し、その読影用端末で日常の読影業務を行っていたが、画像作成はアキシャル画像に限られるなど機能に限界があったため、3DやMPR画像を作成する際には、CTから独立したワークステーションへデータを別途転送する必要があった。

また、従来のPACSサーバーではストレージ容量が少なかったため、マルチスライスCTのボリュームデータを充分に保存することができなかった。そのため、検査後数日を過ぎるとボリュームデータは使用できなくなり、3DやMPRの画像作成が不可能となることもあった。

さらに、以前よりスタンドアロン型ワークステーションが読影室とCT室を中心に5台稼動していたが、各モダリティから得られるボリュームデータの臨床応用が広がる中、あらゆる場所でボリュームデータを用いた読影やワークステーション機能を使用したいとの要望が高まっていた。

ネットワーク型ワークステーションで実現する大規模ボリュームネットワーク

これらの問題を解決する最善の方法として、聖マリアンナ医科大学病院放射線科ではネットワーク型ワークステーション「Ziostation System1000」の導入という方法を選択した。 現モデル名 Ziostation2 Type1000

同院では2006年の3月から大容量のデータサーバー「ZIOBASE」とネットワーク型ワークステーション「Ziostation System1000」を運用し、現在では、スタンドアロン型ワークステーション5台とVolumeGRIDテクノロジーを搭載したネットワーク型ワークステーションのクライアント26台、合計31台の端末が稼動している。

すべてのボリュームデータは「ZIOBASE」で保存し、必要な時にボリュームデータを活用できるようになり、また、各クライアント端末ではボリュームデータによるリアルタイムMPR読影が可能となっただけでなく、ワークステーション機能を利用した高度な解析処理も可能になった。

端末については9台新規増設したほか、すでに院内に設置されていた他社のPACS用端末にVGRクライアントソフトをインストールし、クライアントとして利用することにした。そのため既存のPACS機能に加えて、3D/MPRなどのワークステーション機能が使用できる環境が実現した。また、レポーティングシステムについてはザイオソフトとPACSメーカーで連携を図り、既存の他社製システムがそのまま利用できるようにした。

「Ziostation System1000」によって構築されたボリュームネットワークは、同院内の既存のシステムを活かしながら、ボリュームデータの共有や高度なワークステーション機能の利用を可能にし、より正確な診断やより高度な研究を実現させている。

放射線科 松岡伸医師
「ボリュームデータを扱えるようになって、今までより高度な研究が可能になりました。」 「Ziostationは直感的に操作ができて、マニュアルが要らないところがいいですね。」

放射線科 松岡伸医師

救命救急センターでのボリューム診断

聖マリアンナ医科大学病院の救命救急センターには1日あたり50~60名の患者が搬送される。所属医師20名、そのうち放射線科医2名、放射線検査技師5名で救急のCT/MRI検査を行い、ザイオソフト製品を活用したボリュームデータによる画像診断を行っている。

「救急患者の受け入れ、検査、診断までの所要時間はおよそ15分。これはデータ転送速度が速いザイオソフトのボリュームネットワークシステムだからこそ実現している。」

と同センター松本純一医師。迅速さと正確さが求められる救急医療の現場で、ザイオソフト製品は素早くボリューム画像を提供し、正確な診断と治療方針の決定に貢献している。

松本純一医師(救命救急センター)

松本純一医師(救命救急センター)

「2Dによる診断と比較してボリュームによる診断は、遥かに速く遥かに正確です。ボリュームデータによる画像診断は救急では非常に意義の高い、なくてはならないもの。同センターで実際に運用されて以後、実用的であるとの認識を強めている。ただ、一般的にはまだまだ救急医療の現場には浸透していないのが現状である。今後、その必要性を広く訴えていきたい。」

松本医師の言葉には力が込められている。

今後の課題

ボリュームデータの処理という点において重要視されるのは画像の転送速度(あるいは読込速度)と処理速度である。聖マリアンナ医科大学病院の環境では高速ネットワークの上を独自プロトコルによる高速転送技術を応用して高速化を実現してはいるものの、現場で日々大量のデータを取り扱う医師の中には更なる高速化を望む声が高い。

放射線科 栗原泰之医師
「画像転送の高速化と、レポートシステムとのより密な連携を望みます。」

放射線科 栗原泰之医師

放射線科におけるボリュームデータの重要性と放射線科医の役割

放射線科診療部長 中島康雄教授
放射線科診療部長 中島康雄教授

放射線科を束ねる中島教授は放射線医療の現場を俯瞰する視点からこう語る。

「ボリュームデータの登場により、横断像を頭の中で組み立て、解剖学の情報を加味し、病変の広がりを考察するという従来の読影方法が通用しなくなる。少ない情報からヒントを得て推理する必要はなくなり、膨大な情報の中から必要なものを拾い上げて表現しなければならない。見せ方が重要なポイントになってきているのである。放射線科医はその点に留意して画像診断を行う必要があると同時に、臨床医への啓蒙も行わなければならない。画像診断の最新技術を臨床医に伝えることで、実際の症例にあわせてこれは高精度な検査が必要である、あるいは必要ないといったメリハリをつけることができる。患者さんが高度な医療を適切に受けられる環境を作っていくのも放射線科医の仕事である。」

聖マリアンナ医科大学病院の放射線科スタッフはすべて海外留学経験者であり、若い先生方を積極的に世界に送り出している。今後は新しい画像診断法を世界へ発信していくことなど、研究分野でも意欲を燃やしている。

ボリューム診断の活用により今後の臨床現場でより正確な診断が可能になっていくだろう。 ザイオソフトは今後も最先端のコンピュータテクノロジーで医療現場を強力にサポートしていく。

取材日:2006年10月4日

聖マリアンナ医科大学病院

〒216-8511
神奈川県川崎市宮前区菅生2-16-1

病院長
小板橋 靖
診療科
27科
病床数
1,208床
URL
http://www.marianna-u.ac.jp/hospital/
聖マリアンナ医科大学病院

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