CTによる大腸検査

大腸の検査といえば実際に大腸に内視鏡を入れて行う「大腸内視鏡検査」が一般的ですが、この検査はとても大変で、「痛い」とか「怖い」と思われる方も多いでしょう。しかし、「CTによる大腸検査」では、あたかも腸の中に潜り込んで観察したかのように調べることができます。CTの撮影時間はわずか数十秒ですみ、痛みもありません。実際の内視鏡と違って、撮影の後に何度も出好きな角度で観察することもできるという利点もあります。

現在、1回のCT撮影で得られる画像は1,000枚以上を超えます。ザイオソフトでは 独自の技術で、このCTのデータをコンピュータで処理し、腸管を切り開いたような3次元画像で表示できる医療用の三次元画像処理ワークステーションを自社開発しています。 この三次元画像処理ワークステーションでは、例えば仮想空間の中で腸内に潜り込んだり、臓器の一部だけを取り出して立体的に表示(図2)したりすることができるのです。



(左:図1)仮想空間で腸内に潜り込む
(中央・右:図2)臓器の一部分だけを取り出して立体的に表示

大腸を切り開いてまっすぐ伸ばす(新しい表示方法の開発)

大腸は1.5メートルから2メートルの長さがあります。大きく曲がっていて、たくさんのヒダがあります。そのため、実際の内視鏡では見えない部分が出てきてしまいます。ザイオソフトは早くからCTを使った大腸検査に取り組んでいる病院と共同で研究を行ってきました。研究の中で医師より「長く曲がっている大腸を切り開いて、まっすぐ伸ばした標本のような画像が見たい」との意見がありました。そこで、ザイオソフトでは「大腸を切り開いて、まっすぐ伸ばしたような表示方法」の開発を始めました。しかし、最初にできた画像は失敗でした。大腸の開き方がいわば「乱暴」すぎて、あらゆる場所にひどい歪みが生じ、ヒダが丸くなったり、丸いものがヒダに見えたりしてしまいました。(図3)。しかし、ザイオソフトでは研究を重ね、様々なアイデアとソフトウェア技術を駆使し、ついに「ていねいな」開き方ができるようになりました。新しくできた画像は、失敗した画像と比べるとよくわかりますが、歪みも少なく、表面の質感も出ています(図4)。医師からも「実際の標本とほぼ同じ画像である」と高い評価を得ることができました。この表示方法で腸管全体を展開した仮想空間画像(図5)で、一度に腸管全体を確認することができるようになりました。


(左:図3) 大腸を切り開いて伸ばしただけではひどい歪みが生じてしまう
(中央:図4)新しい表示方法では歪みも少なく、表面の質感も確認できる
(右:図5)大腸全体を広い範囲で確認することができる

CTを活かした表示方法の工夫

ザイオソフトでは仮想空間画像を単に実際の内視鏡の代替品として使うのではなく、仮想空間技術ならではの特性を活かす新しい表示方法を次々と開発しています。その1例が仮想内視鏡表示をしている腸管の外側にCTの断面画像を重ね合わせる表示方法(図6)です。実際の内視鏡では腸管の内部しか観察できませんが(図7)、この表示方法だと、例えば腸管内の病変がどのくらいまで影響しているかが一目でわかります。実際の内視鏡では見えない部分も、仮想空間技術で見ることができるようになったのです。広い範囲を見ることができる魚眼レンズで覗いたような表示(図8)では、筒状の大腸で影になりやすいヒダの裏側まで見ることができるようになりました。魚眼レンズの「度」はリアルタイムに自由に連続的に変えることができ、これも本物のレンズでは不可能なことです。これらを表示するための画像処理の計算には従来はとても時間がかかっていましたが、ザイオソフトの画像処理ワークステーションではこれらをリアルタイムに表示することができます。


(左:図6)仮想内視鏡像にCTの断面情報を重ねた表示で、腸管の外側の状態もわかる
(中央:図7)実際の内視鏡像画像では、腸管の内部しか観察できない
(右:図8)魚眼レンズで覗いたように広い範囲を表示する


隠れた部分の観察をソフトウェア技術で解決する

CT大腸検査では大腸の中に液体が残っていると、液体が溜まっている部分は見えなくなってしまう(図9)という欠点があります。ザイオソフトでは現在これを解決するため、コンピュータ画像処理で液体を取り除く技術(図10)を開発しています。 このほか、ポリープ状の形状をコンピュータで認識させて目印をつけて表示する技術を研究しています。


(左:図9)液体が溜まっている状態
(右:図10)画像処理で液体を取り除くと、液体の中に埋まっていたポリープが確認できる

最先端の技術で医療現場をサポートする

医療現場からはさらに高度なコンピュータ画像処理を望む声が多く寄せられています。

医療の現場は日々進歩しています。ザイオソフトではこれからも最先端の研究成果と高い技術力で問題を解決して、医療現場の要求に応えたいと考えています。

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